1. セファロって何? (矯正歯科の専門性の証)

Broadbent による最初のセファロ
矯正歯科鎌倉 dentfacoのセファロ
矯正治療が本物かどうかはセファロの分析をしたか否か

セファロは・・・頭部エックス線規格写真のことです.

セファロ・パノラマ撮影装置
矯正治療を成功に導く道しるべセファロ

矯正歯科治療をおこなってゆくためには
きちんとした診断をおこなってゆかなければなりません.
そのために一定に規格のもとに
撮影されるレントゲンがセファログラムです.
日本語では頭部規格X線写真とよばれます.

X線管球から 150cm 離れたところに被験者の正中矢状面 (頭を左右にスッパリ切った平面)がくるようにして,そこから 15cm のところにフィルム面がくる規格写真です.

耳の穴を固定して撮影する規格写真なので,その患者さんの属する人種,年齢,性別の基準値と比較検討して,どこがどれだけずれているかを判定することができます.

セファロ分析
セファロによる生体計測.50項目ほどの計測が,角度的線的に行うことができる.

また同一個体では,縦断的発育量・発育方向を判定することができます.

個人の縦断的成長発育の評価
上顎前突を主訴に来院した患者さんの取り外しのきく矯正装置=
当院考案のアクチベータ
および取り外しのきかない固定式エッジワイズ矯正装置を用いた
1期2期矯正歯科動的治療の経年変化.
上下顎それぞれで歯一本分の変化が起こった事が解る.

小さな部屋ひとつ分が必要となります.
そのため主に大学や矯正歯科医にしかないことが多いです.

この条件のもとに撮影されたセファログラムを人類学的に定義された計測点・計測平面をもとにコンピュータ分析して,矯正歯科治療方針を決定してゆきます.(セファロ撮影しました・・・けれど分析はしてません,これもX )

セファログラムの分析は
矯正治療をおこなってゆく上では
必須の過程です.

唇顎口蓋裂や各種症候群,外科手術を伴わなければ不可能な顎変形症など, 一部の症例では,施設基準を充たした歯科医院・歯科大学 などで健康保険で治す事か可能になってきておりますが,(当院でも院長・医院・歯科衛生士すべてにおいてこの基準を充たしております) 2006年度の改正からセファロ撮影装置が必須条件に加えられております.

これをおこなわないで矯正治療を開始することは
危険を伴うといわざるを得ません.

セファログラムを分析することによって,矯正の診断をして治療方針がたつばかりでなく,一定の規格でレントゲン写真の撮影が可能になるため,頭蓋顔面の成長発育の経年的な様相を調べたり,矯正の治療効果を判定したり,外科矯正の際のペーパー・サージェリー=模擬手術をおこなったりすることができます.矯正治療中には治療効果の判定・治療前後の重ね合わせによって,どこがどのように治ったかがわかります.

また,わたしたち矯正歯科医は E-Line に代表される顔の美しさを判定するための基準を持ち合わせております.

E-Line beauty assessment
横顔の美しさを判定するためのセファロ上のE-Line

セファロなしの矯正治療は,六分儀もコンパスもない航海であり,レーダーなしのフライトであり,土地勘のないタクシー運転手です.

合挽き200g ちゃんと測りますし,図面もなしに家を建てることなどあり得ません.

“私どもの工務店では,30坪の土地を購入くださったら50坪の平屋を建ててご覧にいれます”・・・は嘘だし,県の会報が言うように,そもそも全ての症例でセファロ分析をしている矯正専門の団体が,“専門医の団体の調査での平均抜歯率は57.4%.これと比較して大きく異なる場合は抜歯基準を見直すべき”・・・としているにもかかわらず,全ての症例が非抜歯と謳っているのはおかしな話.大相撲でも入幕に八百長が行われたことを見抜いたのはアメリカの統計学者でした.日常の勝敗の比率と大きくかけ離れていたのです.

クリーニング屋の看板があればどこにだしてもキレイになって帰ってくるのは当たり前ですが,こと現段階でのわが国の矯正治療では,残念ながら ‘矯正歯科’・・・の看板があっても治療の成功は必ずしも望めません.歯科・矯正歯科などと矯正歯科の比重を50%も看板に掲げているにもかかわらず,学会認定医等何の公的認定も受けていないところも存在し,セファロもなしに矯正治療を行なっている場所もありますので注意が必要です.現段階の日本においては歯の治療は歯科のみ看板で矯正歯科の併記がないところ.歯の矯正は矯正歯科のみで歯科の併記がないところを受診するのが無難でしょう.

 

 

  1. セファロって何?
  2. セファロの歴史
  3. セファロの目的 A) 形態分析による矯正歯科診断・抜歯基準・矯正治療方針の立案 B) 矯正治療前後の比較による矯正治療効果の判定 C) 成長量・アゴの成長発育方向の判定 D) 矯正治療結果の安定性の判定