左のNG矯正でも,抜歯非抜歯の診断は間違っていません.上下左右の4番目の歯が抜去されています.ただ,矯正治療で達成すべき噛み合わせ理論の達成が得られていません.私たち矯正歯科医の元祖,アングルの分類 I 級で仕上げるのが原則なのですが,そうはなっていません(右にあげた当院で矯正歯科医が仕上げた噛み合わせでは黒で示した矢印が上下で一致しているのに対し,赤の矢印が一致していなければならないのにズレています.前歯の被りも20%=2mmが理想ですが,半分以上の深い噛み合わせになってしまっています.)
日本矯正歯科学会認定医・矯正歯科専門医
日本歯科矯正専門医認定機構(JBO)認定矯正歯科医
日本歯科矯正専門医学会(JSO)会員
日本矯正歯科協会(JIO)正会員
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Dr.Greenfield が最初に壇上に立ち,その非抜歯による素晴らしい理論を展開され,続いてDr.Boley が左・中・右の三連のスライドを駆使して矯正動的治療後の長期安定性について述べられました.Dr.Greenfield の方法も素晴らしいものでしたが,Dr.Boley が非抜歯治療とはそもそも拡大であるといった点に重きを置き,最後のスライドで日本の夏祭りで遊ぶ子供らの映像を映してこういわれました.「これらの人たちに,本当に10年後20年後の結果が出ていない方法で治療をおこなって本当にいいのでしょうか?」いつの日かDr.Greenfield の方法もきっとこうした time-tested を経て再び私たちの前に現れるでしょうが,その講演の座長を務められた福原昭和大学名誉教授が,20世紀初頭の著名な矯正歯科医であるDr. Calvin S. Case の言葉を引用して語った言葉をもって,日本矯正歯科学会としての統一見解としたようでした.すなわち,”The failure to extract teeth when demanded is quite as much malpractice as the extraction of the teeth when not demanded.(必要なときに抜歯しないでいるのは,抜歯をしてはいけない症例で抜歯をするのと全く同様,間違った治療だ.)”