「抜歯を伴う矯正治療の歴史」チャールズ・ツイードの功績

DrCharlesTweed

前々回,前回とお伝えしてきたように,矯正歯科の元祖,茶の湯で言えば千利休に当たる,エドワード・アングルは非抜歯論者でした.

“神様が32本の歯をくださった”・・・がその理論背景.

4本の小臼歯抜歯による,世界的にスタンダードとなっている,エッジワイズ治療法は,アングル門下のチャールズ・ツイードによって発展してきました.

ツイードは非抜歯論を貫徹したアングル師匠にいわば叛旗を翻したのでした.

なみ居る先輩たちが・・・

“アングル師匠の言うことを聞かなくちゃダメじゃないか!”

“じゃあいったい誰が1番うまく治せたかここに並べてみようじゃないか?”

・・・の一言で反駁し,やはりツイードの症例が他のどのオーソドンティストが治験した症例よりも優れていて,しかも何年立っても後戻りを起こさず,顔の美しさも優っていたのです.

彼のこの発言から現在に至るまで,わたしたち矯正歯科医は,学会で自分の治した症例の模型を陳列する事を連綿と続けてきております.

矯正歯科に従事するからには,症例展示は必須のこと.学会にも症例を提出しない,ホームページもイラストで済ませる.これには賛成できません.

TweedTriangle
抜歯基準のために設定されたツイード三角=IMPA90°が理想とされる

また,チャールズ・ツイードは,セファロ上で,ツイード三角を理想として,下顎下縁平面と下顎中切歯の歯軸のなす角度が 90 ° であるべきとしました.図に示した症例では,初診時 110°.ツイードが示した基準値である 90° にするためには,小臼歯抜歯をして,20° アップライトしなければなりません.2.5° = 1mm 換算しますので,この症例では 8mm. しかし,字面どおりでは,dish-in (お皿のような顔?) ・・・といって,おばあちゃまのような寂しい口元になってしまうので,実際にはこの半分 = 4mm のリトラクション= 後方移動を目標に,治療計画を設定してゆきます.

下顎下縁平面が緩やかな人も,急傾斜した方もいるので,のちにインディアナ大ではL1- NB= 4mm .下顎中切歯切縁とおでことB点(= 歯に影響されない歯槽最前方点) を結ぶ線までの距離が4mm が基準値であるとしました.ちなみに非抜歯論を掲げる学派の中には,こういった基準値を公にしている人は,まだいないようです.

 

  1. セファロって何?
  2. セファロの歴史
  3. セファロの目的 A) 形態分析による矯正歯科診断・抜歯基準・矯正治療方針の立案 B) 矯正治療前後の比較による矯正治療効果の判定 C) 成長量・アゴの成長発育方向の判定 D) 矯正治療結果の安定性の判定

「非抜歯で矯正するということは歯列を拡大すること!」

美少女製造業

「非抜歯で矯正するということは歯列を拡大すること!」

以前この blog でご紹介した通り

頭蓋は脳頭蓋と顔面頭蓋に分類されます

ヒトの顔を形づくる顔面頭蓋のうち

その80%が

上の歯が植わっている上顎骨と

下の歯が植わっている下顎骨

歯科大の法医学の教授が

乾燥頭蓋から粘土で生前の顔を再現する

複顔法についても紹介させていただきました

非抜歯で矯正するということは歯列を拡大すること!

・・・つまり

顔をでかくすること

おちょぼ口は褒め言葉

・・・でも

でかい口はそうではない

顔が小さいは褒め言葉

・・・でも

でかい顔はそうではない

看板には”歯科・矯正歯科”ってあるのに

セファロ分析もせずに (セファロって何?・・・にジャンプ!)

非抜歯非抜歯・・・っていって

拡大矯正歯科しかしないところに行けば

ブスにされてしまいます!

矯正専門開業団体が上げている歴史上全ての症例のうち

抜歯で治した比率は57.4%

大相撲の入幕に何か力が働いていることを見抜いたのは

アメリカの統計学者でした

通常の取り組みと明らかに開きがあったのです

非抜歯で矯正するということは歯列を拡大すること!

非抜歯しかしない?
カニじゃあるまいし
横にしか行けない?
プロなのに??

カニじゃあるまいし

横にしか行けない?

わたしたち矯正歯科医は

歯列を拡げたり

縮めたり

歯冠より長い歯の根をを平行移動させたり

歯を長くしたり

逆に骨の中に押し戻してゆくこともできます

拡大の技術しか持ち合わせていない歯医者は避けて無難です

 

  1. セファロって何?
  2. セファロの歴史
  3. セファロの目的 A) 形態分析による矯正歯科診断・抜歯基準・矯正治療方針の立案 B) 矯正治療前後の比較による矯正治療効果の判定 C) 成長量・アゴの成長発育方向の判定 D) 矯正治療結果の安定性の判定

「矯正歯科における抜歯の是非-矯正治療後の安定性の確保の点から」

NonExtGrowingCase

(上の写真は矯正歯科医が治療したムシ歯が1本もない非抜歯= どこの歯も抜かずに治した矯正歯科治療成長期女性症例)

兼ねてから矯正学の争点であり,学会レベルでは決着がついている,矯正歯科における抜歯の是非について,矯正治療後の安定性の確保の点から論じてゆこうと思います.まず,その1回目の話題は・・・”頬筋機構”

BaccinatorMechanism
外側からは顔の筋肉がマスクのように内側からは舌圧が歯列を安定させる

図は,矯正歯科学の聖書とも言われる,グレーバーのブルーブックから

頬筋機構= バクシネーター・メカニズム= baccinator mechanism

筋学
頰と舌の圧力の均衡が歯列を安定させる

歯列は,外側からは

顔の筋肉である口輪筋・頬筋と上咽頭収縮筋がマスクのように取り巻く

一方で

内側からは舌の存在が舌圧としてかかり

その双方の均衡から正しい形態を備え安定します

頬筋機構
キレイな歯列は顔の筋肉と舌圧のバランスから

ワイヤー矯正であろうと

インビザラインであろうと

セファロ分析もせずに

非抜歯非抜歯といって拡大して

頬筋機構の均衡を乱せば

たちまち後戻りを起こします

価値ある本当の矯正矯正治療は

セファロ分析による診断から・・・

 

 

  1. セファロって何?
  2. セファロの歴史
  3. セファロの目的 A) 形態分析による矯正歯科診断・抜歯基準・矯正治療方針の立案 B) 矯正治療前後の比較による矯正治療効果の判定 C) 成長量・アゴの成長発育方向の判定 D) 矯正治療結果の安定性の判定

セファロの目的  D) 矯正治療結果の安定性の判定

20YrsPostRetentionOrthoCase

矯正歯科の目標は・・・

  1. 機能性の回復= しっかりと噛めること.車検からピカピカで返ってきても,エンジンがかからなければダメ!
  2. 安定性の確保= この症例のように,10年経っても,20年経っても安定して,くずれない歯列.
  3. 審美性の獲得= 片目の美女がありえないように,従前の機能の上に立つ美.

ここで,カマクラデントフェイシャルオーソピディクス・山本歯科・矯正 = 矯正歯科鎌倉 dentfaco  blog が,sixcre サーバー上に移行した直後にご紹介させていただいた,矯正治療終了後20年が経過した安定症例に登場していただきましょう.

上に掲げた症例TRさま.

画像説明 : TRさまは,18歳の半ば,矯正装置=ブレースを付けたまま,アメリカから帰国しました.当院院長が所属しているAAO= アメリカ矯正歯科医師会は,世界中にネットワークを持ち,ブレース = 矯正装置をつけたままの転院が可能です.治療費のバランスフォームまで含んだトランスファーフォームがあるのです.当院での1年半におよぶ矯正動的継続治療を経てフィニッシュしました.

上に掲げた画像は,矯正装置を外してから20年が経過した時点ものです.すべての歯が,まっすぐで,隙間なく,デコボコもなく,4歯の小臼歯抜歯をアメリカにてすでに済ませていましたが,抜歯空隙も微塵も残っておらず,フロスを通せば,パチンパチンと音をたてる程です.”価値ある本当の矯正治療”・・・を体現する一例です.

しっかりと噛めるという機能性に,20年間微塵も後戻りを起こさない安定性.さらにその上に構築された審美性.昨年も年に一度のフォローにお見えになり,DH= 歯科衛生士の一人により,歯周病による炎症の一切ない健康な歯茎が確認されました.ちょうど今年で矯正治療終了後25年経過しますので,医療安全のため,また資料を採得することをご了承いただき,皆様に紹介させていただく所存です.

矯正治療が終わっても歯並び・噛み合わせの安定性が得らえず,たちまち後戻りをしてしまえば,治療した意味がありません.

SuperimpositionOfAfteerPostRetention
セファロの重ね合わせによる治療終了後・保定完了後の安定性の評価
ToothFracture
親子2代にわたり“歯ぎしり・食いしばり”の研究を続けている押見先生の論文から身体中で一番固い歯が真っ二つに割れてしまっています

セファロについて連続してお伝えしてきた最後の話題,”矯正治療における安定性の判定”・・・にもセファロは有力な武器となります.専門的には”生理的顎位”・・・といいますが,矯正治療中にはこの位置が乱されることがないように,細心の注意を払って歯の移動を管理してゆきます.筋肉は自分の長さを記憶していますので,徒に引き延ばされたりすれば,もとの長さに戻ろうとして,食いしばり反射を始めます,これが歯や歯周組織に為害作用として働いて,歯の破折や歯根の断裂といった障害が生じます.

FractureOf Root
歯の根が不適正な噛み合わせの結果断裂してしまうことがあります

次回からは,兼ねてから矯正学の争点であり,学会レベルでは決着がついている,矯正歯科における抜歯の是非について,矯正治療後の安定性の確保の点から論じてゆこうと思います.

 

 

  1. セファロって何?
  2. セファロの歴史
  3. セファロの目的 A) 形態分析による矯正歯科診断・抜歯基準・矯正治療方針の立案 B) 矯正治療前後の比較による矯正治療効果の判定 C) 成長量・アゴの成長発育方向の判定 D) 矯正治療結果の安定性の判定

NG矯正その2 “もうやめて!イッタリキタリ矯正”

SkeletalAnchorageSystem+Aligner

副題 : “インプラント矯正やりません!”

keyword : イッタリキタリ矯正 インプラント矯正 拡大床 マウスピース矯正

昨今わが国の巷で行われている,矯正歯科認定医や矯正歯科専門医を持たないにも拘らず,矯正歯科や歯科・矯正歯科の看板を掲げている,GP= 一般歯科医による被害についての二つ目の報告です.

本来118年の歴史を持つ現代歯科矯正学(current orthodontics)・・・に流行り廃りなどもないのですが,最近”流行っている”方法に拡大床とマウスピース矯正とインプラント矯正が有ります.

いずれもカマクラデントフェイシャルオーソピディクスでは現在行ってはおりません.

今回は
“インプラント矯正”・・・について.

インプラント矯正・・・は,ホネに金属の杭・・・を打って,それを固定源として歯を動かしてゆく方法で,それ自体は大して害を及ぼすものでは有りません.”インプラント矯正”の手法を用いて素晴らしい結果を出している国内・海外の先生も知っています.

利点としては・・・

  1. 努力がいらないこと.
  2. 矯正のプロとしての教育を受けていなくても,つまり,バイオメカニクスの理解なしでも,失敗することなく,ある程度歯を並べてゆくことができる.
  3. 歯列の最後臼歯のさらに最後に植立することによって歯列全体を後方に移動でき,非抜歯の機会が増える.

・・・など.

一方欠点としては

  1. 強い力がかかってしまい,骨の表面が岩のようにデコボコしてしまう.
  2. 歯根吸収が起きやすい.
  3. 異物を外科処置で埋入するため感染することがある.矯正歯科鎌倉 dentfacoではSAS= ホネをアンカーとしたこの方法行なっていないのですが,過去に九州にある大学から転院してきた症例で,頬骨弓にこのインプラント矯正が施されていたことがありました.この患者さんの口腔衛生習慣によるものとも思われますが,冬になるとインプラント体の周辺から排膿していました.頬骨弓は眼目の直下にありますので,ちょっと心配しました.

・・・など.

矯正歯科医におけるセファロのメリットについて,シリーズでお伝えしている最中ですが,セファロ分析の結果の診断結果に立脚した治療方針の立案では,治療の方向が,一定でブレることなく,いい歯並び・かみ合わせである結果に向かってまっしぐらに進めることが挙げられます.

ここで,最近”流行っている”拡大床とインプラント矯正のコンビネーションで行われることが多い最近の矯正治療に警鐘.

“あとでインプラントを打って引っ込めてゆくのに,
なぜ学童期=混合歯列期に拡大床を入れて顎を拡大するのですか?”

以前の blog でも語った通り,いつもだと鎌倉駅に降り立っても,江ノ電を乗り継ぎ,鎌高前の”スラムダンク踏切”に沿って,七里ヶ浜シーサイド通りを潮端に沿って,捻れた音叉の形をした坂を登攀して,我が家に帰るのですが,今夜は三日続いた学会出席の後でもうへとへと.駅前からタクシーに乗ったところ,タクシーは若宮大路を八幡様の方に左折.八幡宮を右に見て,巨福呂坂・・・を今帰ってきたばかりの東京方面に向かって・・・なんて勘弁して欲しいですよね!

歯も生き物です.あまりに意味もなく,揺さぶりをかけられ”イッタリキタリ矯正”・・・されれば,歯根吸収や歯槽骨の退縮をおこします.

冒頭副題で述べた通り矯正歯科鎌倉 dentfacoでは,”インプラント矯正やりません!”

その理由は,デントフェイシャルオーソピディクス=顎外力=整形力を用いた=非外科処置を旨とした顎顔面整形歯科を信条とし日常診療を行っているからです.

  1. セファロって何?
  2. セファロの歴史
  3. セファロの目的 A) 形態分析による矯正歯科診断・抜歯基準・矯正治療方針の立案 B) 矯正治療前後の比較による矯正治療効果の判定 C) 成長量・アゴの成長発育方向の判定 D) 矯正治療結果の安定性の判定

“ヒロゲッパ矯正の怪”

AIUEOrthod2

展開中のセファロの話題も,余すところあと

D) 矯正治療結果の安定性の判定

・・・のみですが,少し後回しにして,火急の問題として,昨今巷で行われている “NG矯正”・・・についてもう少し語ってゆこうと思います.

上の写真は,同じJBO公認のJSO= 矯正歯科専門医会会員= 三重県伊賀市のアイウエオ矯正歯科院長である廣島邦泰(ヒロシマクニヤス)先生のウエブサイトからお借りしました.昨今のわが国における矯正歯科事情を的確に表現しているからです.

AIUEOrthod
これも三重県伊賀市アイウエオ矯正歯科ウエブサイトから

“NG矯正” の命名者ももしかしてこの先生?専門医会で今度会った時に訊いてみます.

セファロを用いた診断では,将来の歯並び・かみ合わせを,数値化して,目標がはっきりと見えるので,一直線にそこに向かって進んでゆくことができるのですが,巷では,実際そうはなっていないことが,矯正材料の売り上げから明らかになってきております.

なんでこんなものが売れるようになってきたのだろう??

 

元々は,唇顎口蓋裂の患者さんで,上アゴの破裂部にホネがないために,このようなスクリューの装置で上アゴの真ん中の骨の縫合部を割って,上アゴのホネを側方に拡大するのに使う整形装置だった.

こんなものを,女の子が型をとって,先生は診もせずに技工所送り,1週間ほどで出来上がってくると,女の子がセットして,先生は診もせずに,はい30万・・・なんてことが行われているようだ.

拡大床
拡大床

この装置本来はプロである矯正専門医が,施設基準を得て,健康保険で,唇顎口蓋裂の患者さんの治療に用いる装置だった.

それがいつの間にか,矯正材料屋が,売って,売って,笑いが止まらないほど,全矯正材料のうちで1番の売り上げを誇るものとなった.

ところで,この本来はプロである矯正歯科医が使う整形装置.セファロも撮らない矯正素人が,測りもしないで使用して危険はないのだろうか?

だって,アゴのホネが左右に割れて上アゴが大きくなる.成長期では確かに添加性に骨添加がおこって上顎骨は大きくなり,よりたくさんの歯が並ぶようにはなる.でも上だけ大きくしたら,下の歯列とかみ合わなくならないか?

小顔は褒め言葉,大顔はそうでない.オチョボ口は褒め言葉,大口はそうではない.わたしは顔は大事なもの.セファロを撮って計測もせずに,ただ徒に大きくしていいものだとは思いません.

“イッタリキタリ矯正の怪”・・・に続く

 

 

  1. セファロって何?
  2. セファロの歴史
  3. セファロの目的 A) 形態分析による矯正歯科診断・抜歯基準・矯正治療方針の立案 B) 矯正治療前後の比較による矯正治療効果の判定 C) 成長量・アゴの成長発育方向の判定 D) 矯正治療結果の安定性の判定

成長期に行われるセファロなしの矯正治療の危険性 (サイレント矯正= 待てど暮らせど歯が動いている気配無し)

サイレント矯正

副題 : カマクラデントフェイシャルオーソピディクスでは,一般歯科でのNG矯正の後始末として,やり直し矯正にも積極的に取り組んでおります.

keyword : NG 矯正・やり直し矯正・出っ歯・抜歯

画像説明 :

①主訴 : なし 東京の一般歯科医院より転院

②診断名あるいは主な症状 : malpractice

③年齢 : 12歳8ヶ月

④治療に用いた主な装置 : エッジワイズ・クリア装置

⑤抜歯部位 : 非抜歯

⑥治療期間 : 3年9ヶ月

⑦治療費概算(外税) : 初診料 ¥5,000  診断料 ¥50,000  初診料 ¥600,000  処置料 ¥5,000

⑧リスク副作用 : 所見無し

混合歯列期ではありませんでしたが,学童期にあるこんな患者さんが来院されました.なんでも,最近東京から,鎌倉に引っ越して来て,東京で矯正治療を始めたので,そのまま継続して東京まで通うつもりである.ただし,装置が取れてしまったり,当たって痛かったりしたときだけ診てもらえないか?” もちろんOKです!”

ところが来院されて診ると,上の写真左に見るように,歯は並んでいるんですが,かみ合わせの原則が無視されています.

“どんなところが気になって矯正治療を始めたんですか?”・・・って聞いてみると,

“出っ歯を治したい・・・”・・・って回答が帰ってきました.

“このままでは奇跡が起きたって出っ歯は治りませんよ!”

・・・だって装置は上の前歯から中間歯の10歯に入っているだけで,上の奥歯にも下の歯列全体にもなんら装置は見られません.”出っ歯を治すんだったら・・・

  1. 奥にも装置を入れて固定する.
  2. 上だけ左右小臼歯を2歯抜歯して前歯を後退させる.
  3. 下の歯列にも装置をセットして,顎間ゴムをかける

・・・などの何らかの矯正力をかけなければ出っ歯は治りません”

この患者さん,前々から,”いつになったら歯は引っ込むんだろう?”待てど暮らせど何も起きないことに疑問を感じていらしたので,鎌倉 dentfaco 山本歯科・矯正・・・に転院することを意思決定されました.

上の写真右が当院でのやり直し矯正で結果です.治療期間2年5ヶ月(最初から当院を受診されれば1年半ほどの症例)赤の矢印で示したように,当院初診時全くズレた関係を示していた犬歯関係は,当院やり直し矯正後ではぴったりと一致しています.

矯正装置-ブレース自体p価値
矯正治療が終了していい歯並びかみ合わせになれば外し捨ててしまう矯正装置は建築における足場以上の価値を持たない.

矯正装置自体にはなんら価値はありません.建築でいえば足場に当たるものですので,矯正治療が終了して,いい歯並び・かみ合わせになれば,外して捨ててしまいます.この症例では東京での前医に支払った費用は30万円.前医からの返金は一切ありませんでした.

もう一つ重要な点があります.矯正歯科の仁義に則って初診時の資料を請求しましたところ,”非抜歯にて矯正治療を始めました.資料はありません.”・・・

NG矯正のほとんどすべてがこの方同様なんの資料も無く,セファロ分析もされず,ただ歯に装置を貼り付けてワイヤーを通すだけ.それでも何十万かの治療費は課金され.また治療が失敗に終わっても,患者さんの泣き寝入りで,非を認めようとせず,返金もされません.大工さんに家を建てるって頼んでも “アイヨ!”・・・って,図面もひかずに柱を立て始めたなんてことないのに.

消費者庁長官がこれ以上返金トラブルが多いと,エステ扱いにすると学会に警告したことはすでに語りました.

それでは,こういった災禍に会わないで済む秘訣を語って本日の blog を終了します.

  1. 資料採取したか?
    矯正治療前写真
    価値ある本当の矯正治療開始に必須の矯正治療前写真
    矯正治療後写真
    価値ある本当の矯正治療開始に必須の矯正治療後写真
    パントモレントゲン
    価値ある本当の矯正治療前に必要なパントモレントゲン
    歯の模型
    価値ある本当の矯正治療前に必要な歯の模型
    セファロ
    価値ある本当の矯正治療前に必要なセファロレントゲン

    セファロ分析
    価値ある本当の矯正治療前に必要なセファロ分析
  2. 全ての症例で非抜歯といってないか?
    拡大矯正
    非抜歯で矯正治療するということは歯列を拡大することに他ならない

    矯正治療をプロとして行ってゆく上で必要なのは,歯列を拡大するだけでなく,縮小させることも,高くすることも,低くすることも可能でなければならない.(カニじゃないんだから・・・)

  3. 認定医もしくは専門医公認を受けているか?

ほとんどの大学において歯科矯正学は卒後教育と捉えられており,サワリしか教えていない.ちなみに母校では,試験は教科書持ち込みだった.

今回の症例治療前の写真です.

NG矯正1
矯正装置はセットしたものの歯は動かないサイレント矯正前

今回の症例治療後の写真です.

NG矯正1
矯正装置はセットしたものの歯は動かないサイレント矯正後
NG矯正1治療前後のセファロの重ね合わせ
患者さんの希望した通り出ていた上の前歯が後退しました

やり直し矯正治療前後のセファロの重ね合わせです.

一般歯科医の中にもしっかり勉強されている方もお見えになりますが,このような症例を散見することが多くなった昨今です.矯正治療はプロである矯正歯科医に任せた方が無難です.

 

 

  1. セファロって何?
  2. セファロの歴史
  3. セファロの目的 A) 形態分析による矯正歯科診断・抜歯基準・矯正治療方針の立案 B) 矯正治療前後の比較による矯正治療効果の判定 C) 成長量・アゴの成長発育方向の判定 D) 矯正治療結果の安定性の判定

学童期= (永久歯と乳歯の)混合歯列期のアゴの成長

赤ちゃん・・・って4頭身ですよね!・・・もしそのまんまのプロポーションで育っていったら,4頭身のおとなになってしまいます.

DifferentialGrowtth
ヒトの成長発育は各部において一様ではないもし一定だと4頭身のおとなができあがってしまう

身体各部は,ディファレンシャル・グロース・・・といって,成長量もタイミングも異なります.

“学童期= (永久歯と乳歯の)混合歯列期のアゴの成長” の続きを読む

矯正歯科治療におけるセファロの役割 C) 成長量・アゴの成長発育方向の判定

学童期矯正治療の県政レベルでの被害防止

広島県では,学校検診の際に,矯正治療中の学童に対して・・・本年度から、歯並び(歯列・咬合の健康診断)の判定基準において、上図のように統一するよう歯科医師会を通じて通達があった.

学校歯科健診 矯正治療中の歯並びの判定について

・・・として blog 投稿された広島県で心ある医療を心がけていらっしゃるこの院長先生は・・・

“大切なことは、学校における歯科健康診断での判定は、矯正治療の必要性を判断するということではない。将来、口腔の健康、全身の健康にとってどのようなリスクが考えられるかを、学校保健教育の視点から教育し、認識させることが必要である。”

・・・とする行政側の通達を,

“歯並びが悪いと聞くと、どうしても”見た目”だけに関心がいきがちであるが、そのリスクやデメリットが存在することを良く理解したい。”

・・・と結ばれている.

・・・つまり,これら成長期にある子らの将来の永久歯咬合のあり方を,この時点で見極めることは専門家に取っても細心の注意を払うべき点であるが,一般歯科医の介入では,さらに混迷を深め,正常咬合に誘導することが難しく,そのほとんどにおいて “価値にある本当の矯正治療” ・・・がおこなわれていない現況にある・・・ということ.

この現象は,カープやもみじ饅頭・・・とは異なり,広島県だけの問題であるわけではない.他府県の行政も早くこのところに気づき改善してゆかないことには,ますます健康被害が蔓延してゆくことだろう.矯正学における知識も技術も経験も乏しいGP= 一般歯科医が矯正治療をルティーンに診療にとりいれだした昨今.専門医会の調査では,適切な治療が施されている割合は10人のうち一人か二人と言われている.

現在わが国で行われている不適切な矯正治療において,もちろん一部であるが,こころないGP= 一般歯科医によって,どのような形で利益誘導がなされ,どのような意味のない装置に数十万の費用が課金され,どのような顛末をもたらしているのか,以降数夜に渡って明らかにしてゆこうと思う.

ここでも安心・安全の矯正歯科医療に一躍買うのが,ここ数日紹介してきているセファロ=頭部エックス線規格写真.まず次回はテーマである”C) 成長量・アゴの成長発育方向の判定”・・・から説明してゆこうと思う.

 

 

  1. セファロって何?
  2. セファロの歴史
  3. セファロの目的 A) 形態分析による矯正歯科診断・抜歯基準・矯正治療方針の立案 B) 矯正治療前後の比較による矯正治療効果の判定 C) 成長量・アゴの成長発育方向の判定 D) 矯正治療結果の安定性の判定

”骨格性上顎前突不全症例2)(矯正歯科による前歯の移動と顎顔面整形歯科的顔貌の変化)”

女性骨格性上顎前突不全症例治療後

さて

昨 blog に引き続き

”骨格性上顎前突不全症例2)”

・・・について語ってゆこうと思います.

①主訴 : 歯が出ている

②診断名あるいは主な症状 : 骨格性上顎前突・右上6欠損の不全症例

③年齢 : 24歳2ヶ月

④治療に用いた主な装置 : エッジワイズ装置・ヘッドギア

⑤抜歯部位 : 上下左右第一小臼歯・上顎左側第一大臼歯

⑥治療期間 : 2年8ヶ月

⑦治療費概算(外税) : 初診料 ¥5,000  診断料 ¥50,000  基本料 ¥840,000  処置料 ¥7,000

⑧リスク副作用 : 所見無し

上に掲げた写真は,矯正動的治療= 実際に歯に装置をセットして歯を動かしてゆく期間,・・・が終了して直後のものです.実はこの患者さんウエブサイトで当院を発見し”わたしみたいな歯の出た人が治ってる!”・・・って受診されました.

FemaleSkeletalCLIIMutilatedCaseComparison-Lateral
女性骨格性上顎前突不全症例矯正歯科・顎顔面整形歯科治療後

こちらは本症例での動的治療期間2年8ヶ月の間におこった歯と骨の位置の変化.セファロは,耳の穴を固定して撮影する規格写真ですので,治療前後の2枚を重ね合わせてコンピュータ分析することによって,どこがどのように治ったかが一目瞭然で分かるのです.

この症例では初診時 10mm あったOJ= オーバージェット= 前歯の水平的開きが,矯正治療終了後には,理想的な 2mm に減少しました.上に掲げたセファロの重ね合わせからも約歯2本分の前歯の後退がおきたことがわかります.

FemaleSkeletalCLIIMutilatedCaseSmile
女性骨格性上顎前突不全症例矯正治療前後のスマイル

矯正治療前後の笑顔の比較です.患者さんにはとても満足いただきました.

当院症例番号7172

氏名  : HIM さま

性別  : 女性

①主訴 : 歯が出ている

②診断名あるいは主な症状 : 骨格性上顎前突・右上6欠損の不全症例

③年齢 : 24歳2ヶ月

④治療に用いた主な装置 : エッジワイズ装置・サービカルヘッドギア・J-フックヘッドギア

⑤抜歯部位 : 上下左右第一小臼歯・上顎左側第一大臼歯

⑥治療期間 : 2年8ヶ月

⑦治療費概算(外税) : 初診料 ¥5,000  診断料 ¥50,000  初診料 ¥840,000  処置料 ¥7,000

⑧リスク副作用 : 所見無し

 

  1. セファロって何?
  2. セファロの歴史
  3. セファロの目的 A) 形態分析による矯正歯科診断・抜歯基準・矯正治療方針の立案 B) 矯正治療前後の比較による矯正治療効果の判定 C) 成長量・アゴの成長発育方向の判定 D) 矯正治療結果の安定性の判定