上のスキームは
“バイオメカニクス= 生力学”
・・・の説明です
矯正治療における力系は
本来何ら支点を持たない
フリーボディー力学です
上のように
泥沼に植わった2本の杭に
もう一本の杭を水平に結び受け
そのちょうど右から1/3のところに
回転力を加えると
2本の杭はどのような動きをするだろう
・・・ということを力学的に証明するのです
ただし昨今ハヤリの
マウスピース矯正やら
インプラント矯正では
従来から研究されてきた
そんな知識すら必要とされません
私たち矯正専門医は
“バイオメカニクス= 生力学”
・・・についてしっかりと叩き込まれ
作用すれば不可避の反作用を
いかに治療に+の方向に打ち消してゆくか
・・・を考えながら矯正治療を進めてゆきます
図は最前の杭と同じメカニクスを
学童期= 混合歯列の患者さんに施した時の説明です
この時期では
前歯と6歳臼歯の間にある乳歯を
歯茎側に一段低いユーティリティーアーチを用いパスして
6歳臼歯部分をtip-back 歯茎側に曲げます
6歳臼歯のチューブにセットした
ユーティリティーアーチは
前歯にセットする前は
歯茎の下の方に来てしまいますが
これを
“ヨイショ”・・・って
前歯にエンゲージすると
前歯にはかみ合わせを浅くする力が生じます
その反作用は6歳臼歯
・・・に時計回りのモーメントとして働き
モーメントのかかった歯は伸び上がって来ます
これがさらに前歯の噛み合わせを浅くするのです
鍵をかけられたように
顎関節部で後方に押しやられた下顎頭は
アンロックされ解放されて
前下方への自由な成長発育を復帰させます