冒頭の症例は,一昨年来院された,アライナーやマウスピース矯正では対応不可能な,強度の反対咬合症例.プロである矯正歯科専門医がワイヤー矯正で治療担当した.第I期終了,さらに第II期矯正が控えている..
DATA :
画像説明 :
1 : 主訴 : 受け口
2 : 診断名あるいは主な症状 : 反対咬合
3 : 年齢 : 10歳8ヶ月
4 : エッジワイズ装置
5 : 抜歯部位 : 非抜歯
6 : 治療期間 : 1年5ヶ月(I期矯正治療終了,以後II期矯正治療が控えている) 7 : 治療費概算(外税) : 初診料 \5,000 診断料 \50,000 基本料 \300,000 処置料 \3,000
8 : リスク副作用 : 所見無し
ハロー皆様
カマクラデントフェイシャルオーソピディクスの山本一宏です.
小児矯正
ワイヤー矯正でも,動的治療が終わって1年間の保定が終了したら,大人では徐々にやめてゆく保定装置=リテーナーを,ただちにやめてしまいます.小児矯正では,成長に伴って,奥歯が合わなくなってくることがあるからです.1年以上のアライナーなどの使用は,上下の顎の,前下方の成長発育の面からやめておいた方が良いでしょう.
また上アゴでは,側方へも成長が起こるため,上アゴの成長をアライナーで妨げのは得策と言えないでしょう.
ヒトの上アゴと下アゴは,歯を取り巻く歯槽骨の垂直性成長によって大きくなります.
時々乳歯列反対咬合でムーシールドなどの治療用装置を見かけることがあります.ピエール・ロバン症候群などの場合を除き,乳歯列の反対咬合では,60%自然治癒するとした報告があります.自然に治るなら,時間とお金を使って治す意味はありません.
固定式のワイヤー矯正に比較して,ムシ歯になりにくいメリットもあるでしょうが,“インビザラインて臭いの?”・・・なる書き込みを見たこともあるので,基本的にプライマリケアに分類される小児矯正,口腔衛生指導を徹底した後で行ってゆきたいものです.
元来、医療とは、患者主役の、医師によって行われる行為です。施術側には、医師による全責任のもと、看護師・歯科衛生士・歯科技工士などパラメディカル・パラデンタルの面々は、医師の治療をサポートして、心を込めた手当を遂行します。
ところで、前にも語りました通り、このマウスピースによる矯正、現時点で、薬事も通過していない、学会からも認められていない、医師の裁量で行われる医療行為です。従来から護送船団方式で、諸外国からの薬品の流入を排除してきた薬事法。著者が若い日には口腔周囲筋訓練に使用するボタンの使用も禁止されたのに、なぜかまかり通っている。そして、ついに、医療ではない、ビジネスとして、オピニオンリーダーまで駆り出して、言葉巧みに蔓延しようとしている。
思い出してほしいのは、矯正治療において、基本は、従来(コンベンショナル)からのマルチブラケット法と称ばれる、ワイヤーによる矯正法。1900年のアングル・スクールのスタートから連綿と継続する世界に認められた安心・安全の王道をゆく方法です。著者の認定を受けているWFO, AAO, JBO, 日本矯正歯科学会、・・・と、世界中の学会から認定を受けています。
一定の制限のもと、抜歯症例をも含めた、いい成果を示している歯科医師も中にはいる。
ただし、ここで言える事は、これらの、マウスピースを用いての、矯正治療に成功している歯科医師は、学会認定医などの、従来(コンベンショナル)からの矯正装置でも治せるひとたちです。失敗を避けたければ、医院の選択が重要な決め手となります。
近いから便利、簡単に治る、安くすむ、取り外しだから失敗しても大した被害はない・・・などの軽い気持ちで飛びついても、騙されたと気付くのは2年も経ってから。お金も、費やされた時間も戻ってはきません。
外科矯正まで含めればありとあらゆる症例に対応可能なワイヤーによるコンベンショナルな矯正治療と異なって、マウスピースによる矯正は対応不可能である以下のような禁忌症例があります。ところが、どこの医院のウエブサイトを見ても、すべての症例に対応可能と書かれてりるようです。マウスピース矯正で絶対してはならない禁忌の症例は以下の通りです。
マウスピース矯正における禁忌症例
- 強度の叢生 #歯並びが悪い #乱杭歯 #ガチャ歯 #デコボコの歯
- 骨格性不正 #顎口腔機能診断施設 #アゴ切り手術
- 小児矯正 #成長発育 #ディファレンシャルグロース
- 20H/day 装着義務 #アンフィット #矯正治療失敗
担当ドクターに不信感のある方は,セカンドオピニオンとして受診可能ですので,ご一報お待ち申し上げます.
URL : https://dentofaco.sixcore.jp
On Line Reservation : https://dentofaco.sixcore.jp/onlinereserrvation/
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院長:矯正歯科専門医 山本一宏
日本矯正歯科学会認定医・矯正歯科専門医
日本成人矯正歯科学会認定医
日本矯正歯科協会(JIO)正会員
日本歯科矯正専門医認定機構(JBO)認定医
American Dental Association,
American Association of Orthodontists,
World Federation of Orthodontists, Member