副題 : “インプラント矯正やりません!”
keyword : イッタリキタリ矯正 インプラント矯正 拡大床 マウスピース矯正
昨今わが国の巷で行われている,矯正歯科認定医や矯正歯科専門医を持たないにも拘らず,矯正歯科や歯科・矯正歯科の看板を掲げている,GP= 一般歯科医による被害についての二つ目の報告です.
本来118年の歴史を持つ現代歯科矯正学(current orthodontics)・・・に流行り廃りなどもないのですが,最近”流行っている”方法に拡大床とマウスピース矯正とインプラント矯正が有ります.
いずれもカマクラデントフェイシャルオーソピディクスでは現在行ってはおりません.
今回は
“インプラント矯正”・・・について.
インプラント矯正・・・は,ホネに金属の杭・・・を打って,それを固定源として歯を動かしてゆく方法で,それ自体は大して害を及ぼすものでは有りません.”インプラント矯正”の手法を用いて素晴らしい結果を出している国内・海外の先生も知っています.
利点としては・・・
- 努力がいらないこと.
- 矯正のプロとしての教育を受けていなくても,つまり,バイオメカニクスの理解なしでも,失敗することなく,ある程度歯を並べてゆくことができる.
- 歯列の最後臼歯のさらに最後に植立することによって歯列全体を後方に移動でき,非抜歯の機会が増える.
・・・など.
一方欠点としては
- 強い力がかかってしまい,骨の表面が岩のようにデコボコしてしまう.
- 歯根吸収が起きやすい.
- 異物を外科処置で埋入するため感染することがある.矯正歯科鎌倉 dentfacoではSAS= ホネをアンカーとしたこの方法行なっていないのですが,過去に九州にある大学から転院してきた症例で,頬骨弓にこのインプラント矯正が施されていたことがありました.この患者さんの口腔衛生習慣によるものとも思われますが,冬になるとインプラント体の周辺から排膿していました.頬骨弓は眼目の直下にありますので,ちょっと心配しました.
・・・など.
矯正歯科医におけるセファロのメリットについて,シリーズでお伝えしている最中ですが,セファロ分析の結果の診断結果に立脚した治療方針の立案では,治療の方向が,一定でブレることなく,いい歯並び・かみ合わせである結果に向かってまっしぐらに進めることが挙げられます.
ここで,最近”流行っている”拡大床とインプラント矯正のコンビネーションで行われることが多い最近の矯正治療に警鐘.
“あとでインプラントを打って引っ込めてゆくのに,
なぜ学童期=混合歯列期に拡大床を入れて顎を拡大するのですか?”
以前の blog でも語った通り,いつもだと鎌倉駅に降り立っても,江ノ電を乗り継ぎ,鎌高前の”スラムダンク踏切”に沿って,七里ヶ浜シーサイド通りを潮端に沿って,捻れた音叉の形をした坂を登攀して,我が家に帰るのですが,今夜は三日続いた学会出席の後でもうへとへと.駅前からタクシーに乗ったところ,タクシーは若宮大路を八幡様の方に左折.八幡宮を右に見て,巨福呂坂・・・を今帰ってきたばかりの東京方面に向かって・・・なんて勘弁して欲しいですよね!
歯も生き物です.あまりに意味もなく,揺さぶりをかけられ”イッタリキタリ矯正”・・・されれば,歯根吸収や歯槽骨の退縮をおこします.
冒頭副題で述べた通り矯正歯科鎌倉 dentfacoでは,”インプラント矯正やりません!”
その理由は,デントフェイシャルオーソピディクス=顎外力=整形力を用いた=非外科処置を旨とした顎顔面整形歯科を信条とし日常診療を行っているからです.