日本歯科専門医機構認定矯正歯科専門医 山本一宏です
昨年令和6年9月13日厚労省の医療広告ガイドラインの法改正を待って全国201名の矯正歯科専門医が認定されました
冒頭のセファロ重ね合わせ
黒が初診時
青がII期治療開始時
赤がフィニッシュ時

画像説明 : TK
①主訴 : 歯並びが悪い
②診断名あるいは主な症状 : 上下前歯に叢生を伴う上顎前突症(永久歯萌出余地不足を伴う)
③年齢 : 7歳10ヶ月
④治療に用いた主な装置 : エッジワイズ装置
⑤抜歯部位 : 非抜歯(矯正治療計画上どこの歯も抜歯していない)
⑥治療期間 : I 期 1年10ヶ月 II期 8年8ヶ月
⑦治療費概算(外税) : 初診料 同一家族割にて無料 診断料 ¥50,000 基本料 ¥600,000 処置料 ¥5,000
⑧リスク副作用 : 所見無し
前回の blog で上アゴの大きさはそのままで下アゴを歯3本分大きくした症例を紹介しましたが
今回はそれに拍車をかけて歯5本ほどの下顎骨の前方方向への成長誘導に成功した症例です
つい先日フィニッシュいたしました
子供を急に大きくするのが不可能なように
こうした治療法も簡単にはいきません
I期II期合わせて8年8ヶ月の治療期間が必要とされました
9年かけて98.5%非抜歯に成功しているグリーンフィールド先生に似た結果ともいえます
昨今 web 上ではやれ
簡単にできるだの
II期治療不要だの
日本歯科専門医機構認定矯正歯科専門医から見てデタラメの記事を多く目にするようです
価値ある本当の矯正治療は簡単に済むものでも安価なものでもありません
時間的・経済的ある程度の努力が必要とされます
本症例は当院の歴史上最長の治療期間を費やしました
12歳からの開始であったとしたら
きっと上下左右4本の第一小臼歯の抜歯が必要であったでしょう
また
ある程度の歯軸のコンペンセーションが必要であったでしょう
しかし本当の矯正治療結果では
患者さん本来の成長発育方向にまで及ぶ大きな影響が期待できるのです!